アメリカ留学体験談


Episode 03「Dear John Letter」

Dear John Letterって何だか知ってますか? 私がこの言葉を始めて知ったのは、寮にいたRA(レジデンス アシスタント)のドン君がこの手紙を受け取ってしまった時です。

RAは、寮に住む生徒達をまとめたり、煩かったら注意したり、色々な連絡をしてくれたりするお世話役です。日本で言う寮母さんみたいな感じでしょうか。 ワイルドで扱いずらいアメリカ人学生を相手にする、かなり大変な仕事でもあります。(よって面倒見のいいタイプがこの仕事をしています。)

私のいた私設の寮では各棟毎にRAがいて、建物は3階建てで、4スイート+RAの部屋と個室数個という構造でした。 スイートの中には二人でシェアする事も出来る大部屋3つ、小さい個室が3つあり、だいたい6-8人の生徒が住んでいて、スイート内でバスルームとリビングルームを共用します。

RAは寮内をウロウロ動き回って仕事をしているというのもありますが、1階のエントランスの脇にRAの部屋があり、住人達は 毎日ドンと顔を会わせてはなんらか喋るような感じです。

ちょっとトッポジージョを思わせる人の良い笑顔をしたドンの様子が、ある日明らかにおかしい日がありました。
「何かあったの?」と話しかけると、側にいた他の男の子が
「遠距離の彼女からDear John Letterが届いちゃったんだよ。」と耳打ちしてくれました。

そう、「Dear John Letter」はお別れの手紙の事です。彼女や奥さんからくる、ちょっと丁寧で距離のあるお別れの手紙。

皆に励まされたドンはその後も暫く落ち込んでいましたが、煩いフレッシュマン達の棟を担当している彼は忙しくしているうちに直ぐに立ち直っていきました。