アメリカ留学体験談


Episode 10「ラインダンスの不思議」

留学して1年、英語力がまだまだだった私は平日は宿題にかかりっきりだったのですが、週末は寮の子達と遊んでいました。

同じスイートにいた、ユダヤ系の社交家シェリー、ブロンドのキャリー、そして身長180センチは余裕である縦にも横にもでかいミッシェル達と映画に行ったり、 金曜や土曜の夜はクラブにも遊びに行ってました。「週末だイェーイ!」とベーススピーカーを積んだミッシェルのシビックに乗り込み、 ブンブンベースを鳴らして田舎の真っ暗な夜道を走ります。

ただし、通っていたのは田舎のクラブなので音楽はごちゃまぜ。ヒップホップあり、ポップあり、ロックあり、割となんでもアリのごちゃまぜクラブでした。

そこで知ってしまった「ラインダンス」。カントリー好きな方は知っているかもしれませんが、 皆で横に並んで、同じ振り付けで踊ると言うアレです。初めてラインダンスを見てしまったのが、なんとマイケル・ジャクソンの『ジャム』。 実はラインダンスの定番です。(私たちの行っていたクラブだけかもしれませんが。)

『ジャム』がかかるとフロアにいた人々はいきなり横一列に並び、かかとをトントンとか、手をパンパンとか、 あのラインダンス特有の振り付けで踊り始めます。
「何なんだよコレ」と、私はお酒を買ってその他三人がぎこちなくラインダンスしているのを見学していました。
そしてよく観ているとこれをお目当てに来ているであろう、カウボーイハットやブーツで決めた方々がちらほらといます。

カントリー自体が苦手だった私はもちろんラインダンスも苦手で、『ジャム』がかかるとバーの方へ向かう習慣がつきました。

『ジャム』がラインダンス仕様になってしまう、恐るべし白人ノリ。
その後シェリーがラインダンスにハマってしまい、カントリーまで聞き出し、カウボーイハットとブーツを買い込んでリビングルームでの練習に付き合わされた事も思い出です。