アメリカ留学体験談
Episode 21 Ranch Houseの怪談
Ranch House(レンチ・ハウス)ranchというのは牧場の事ですが、そこから来た家のスタイルで、
実際に馬を飼っていたりする場合もするのですが、家のスタイルの事です。(こちらを参考にranch-style house)
アメリカは、ホラー映画を見てもらえば分かると思いますが、あまり霊を扱ったホラーはありません。
ここ10年くらいで日本の『J-horror』に影響されて、日本で言う心霊現象に近いホラーを扱った映画は増えて来ていますが。
という事で、アメリカ人は心霊話に慣れていないので、日本の霊感のある友達から聞いた体験談を披露しては怖がらせて楽しんでいました。
アメリカに住んでいていくつか霊体験の話しを聞いた事があるのですが、その中でも一番怖かった話し。
これはレンチハウスを管理しながら一人で住んでいるメキシカンの友達ヴィッキーから聞いた話しです。
ヴィッキーの住むレンチハウスは、隣にあるもう一件のレンチハウス以外にはご近所さんが全くいない、とても寂しいエリアに建っていました。
5分程車で走るとワイナリーがあるくらいで、夜になると辺りは真っ暗。防犯の面をかねて、お隣さんとは密な付き合いがあったようですが、
人の出入りもチェックしていたりするので
「監視されているようで、嫌だ。」とたまにヴィッキーはこぼしていました。
そんなある日の事。
ヴィッキーはL.A.に住む従姉妹と長電話をしていました。そこへ電話会社のオペレーターがいきなり割り込んで来て、
「お隣のXXさんが緊急で用があると言って来ているのだけど」と連絡が入りました。
素直にお隣との電話を繋いでもらうヴィッキー。
「さっきから何度も電話を掛けてるのだけど、繋がらないので電話会社に取り持ってもらった。
もしこれで繋がらなかったら警察に連絡しようと思っていた所なのよ。ところで、
もの凄い叫び声がしていたけど、何かあったの?大丈夫なの?」
凄い叫び声を聞いたお隣さんが、ヴィッキーを心配して電話をかけて来ていたのでした。
確かに、凄い悲鳴が聞こえてきても、立地条件的に中年の女性が一人で隣の家まで様子を見に行くのは怖いので、電話か警察を呼ぶのが妥当ですね。
「え?何も聞こえなかったし、もちろん私も従姉妹とただ電話していただけで叫んだりなんかはしていないけど?」
ヴィッキーの普段と変わらない様子に安心したお隣さんは、納得して電話を切ったそうです。
数日後。
ヴィッキーはその叫び声が何だったかを知ります。実は、お隣さんが叫び声を聞いたちょうどその頃、
別の州の大学に通う彼女の娘が自殺していたそうです。急に来た訃報を聞いて、ヴィッキーは背筋が凍ったそうです。
「その叫び声は、自分の娘の叫び声だったのよ。」
ヴィッキーには全く聞こえなかった叫び声は、母親であるお隣さんのみに聞こえていたのですね。